A/D変換(Analog-to-Digital conversion)とは、アナログ信号をデジタル信号に変換することです。
- デジタル信号: 0と1の組み合わせで表現される信号です。コンピュータやスマートフォンなどのデジタル機器で扱われます。
- アナログ信号: 連続した波形の信号です。音や光、温度などの自然現象は、通常アナログ信号として扱われます。
なぜオーディオでA/D変換が必要なの?
音は、空気の振動によって伝わるアナログ信号です。しかし、デジタルオーディオ機器(CDプレーヤー、デジタルオーディオプレーヤー、スマートフォンなど)で音を扱うためには、このアナログ信号をデジタル信号に変換する必要があります。
A/D変換の仕組み
A/D変換は、大きく分けてサンプリング、量子化、符号化の3つの段階で行われます。
サンプリング: 一定の時間間隔でアナログ信号の値を読み取る(標本化する)ことです。この時間間隔をサンプリング周波数といいます。サンプリング周波数が高いほど、元の音を忠実に再現できます。
量子化: 読み取った値を、あらかじめ決められた範囲のデジタル値に割り当てることです。この範囲を量子化ビット数といいます。量子化ビット数が多いほど、音の大小を細かく表現できます。
符号化: 量子化された値を、0と1の組み合わせで表現する(符号化する)ことです。
A/D変換の品質
A/D変換の品質は、サンプリング周波数と量子化ビット数によって決まります。
サンプリング周波数: 44.1kHzや48kHzなどが一般的です。CDは44.1kHz、ハイレゾ音源は96kHzや192kHzなどが使われます。
量子化ビット数: 16bitや24bitなどが一般的です。CDは16bit、ハイレゾ音源は24bitなどが使われます。
A/D変換の応用
A/D変換は、音楽制作、録音、放送など、様々な分野で応用されています。
音楽制作: 楽器の音や歌声をデジタルデータとして取り込み、編集・加工するために使われます。
録音: マイクで集音した音をデジタルデータとして記録するために使われます。
放送: テレビやラジオ番組の音声をデジタルデータとして送信するために使われます。
補足
A/D変換の逆の変換(デジタル信号をアナログ信号に戻すこと)をD/A変換といいます。
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